身体が重い……
目の前にはただ暗い闇があるだけで、一点の光も見えない。
自分の瞼が腫れ上がって動かないからか、単に周囲が暗闇なのか…………或いは、その全てなのか……
それすら、判別することができない。
辺りを探ろうにも、手首は拘束されている。
わずかに左右に手をずらすだけで、手首に切れるような鋭い痛みが走る。手の感覚も、とうに麻痺している。
床に触れたところから、身体の熱が奪われていく。硬い床に長時間圧迫されて、痺れ、感覚が失われている。
最早、寝返りを打つだけの力もない。
もうどのくらい長く、ここに居るのだろう。
ここはどこなのだろう。
一体、何度日が昇り、日が暮れたのだろう。
何とかして今までのことを思い出そうとするが……
しかしその度に、頭に痛みが走り……思い出すことができなかった。
既に、記憶は失われている。
遠くから足音が聞こえてくる。
それは次第に、こちらに近付く……片耳が地面についているせいで、やたら大きく聞こえてきた。
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