冷たいコンクリートの監獄で、俺の意識は浮上した。ここはどこなのか。どのくらい気を失っていたのか。自分の身に起こったことは、何も覚えていない。だが全身は傷だらけで、陰惨な暴行を暗示していた。少しでも気を抜けば意識が薄れ、俺の心は今にも闇に堕ちかける……
だが何かが俺に、警報を鳴らしている。自分には、やり遂げるべき仕事があるはずだ。守らなければならない、大切な人がいたはずだと……その想いが、その面影が、今の俺を導く唯一の灯火。
在りし日の姿を変え、東京湾岸の移民街・龍宮が、再び牙を剥く。誰が何の為に、JJを捕らえたのか。この危機を救うと噂される、「タイクーン」とは何者か。全ての決着をつけるため、男達は再び東京湾岸を駆ける。かけがえのない、至上の絆を取り戻すために。