劉 まあ宇賀神……せっかくだ。貴様も何か、酒を飲め。
宇賀神 いえ、私は仕事中に酒は飲まないようにしていますので……
劉 分かっていないな。貴様の人生はいつも仕事中だ。そんなことでは、
一生酒が飲めないぞ。
劉は戸棚から、酒瓶を取り出す。
劉 “高粮酒”……これは、中国のまあ飲みやすいスピリッツだ。JJ、貴様も飲め。
そう言って、注ぐのは宇賀神なのだが……俺にもグラスが渡された。
JJ ……悪いな。
劉 王、どうだJJは。使える人間か?
王 はい。有能な男だと思います。殺しの腕もたつし、勘もいい。
劉 見てのとおり、今さっき、護衛の空きができた。私の新しい護衛の1人に……
JJをどうかと思うのだが。
王 ……だそうだ。JJ、首領じきじきに任命されたのだから、光栄に思って、
護衛につけ。めったにない好機だ。
JJ ……光栄だ。
劉は堂々としてこちらを見る。
劉 それでは、デスサイズ、この後すぐに任務につけ。乾杯……!!
劉、宇賀神、王……そして、この俺が4つのグラスを鳴らす。
正直、これだけ犠牲を出した後の、血生臭い部屋で乾杯するセンスには
同意しかねる。
だが、相手はドラゴンヘッドの首領、劉だ。迂闊なことを言うわけにもいかない。
これから、劉の側近としてうまくやれば……
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