イベントスチル

 

 

 

 

 

――と、梓の視線が男の懐に移った。小鳥のくちばしが見えたからだ。

 

 

 

その小鳥……

 

よく見ると、それは白い文鳥だった。目を閉じたまま、微動だにしない。

 

 

ああ、死んでいる

……どうして?

逃げている時に……誤って潰してしまった

   
 

文鳥の首は不自然な方向に折れていて、その最期が痛みの伴うものだったのだと梓にも分かった。

しかし、男は何から逃げているのだろうか……梓は少し不安になる。

だが、悲しげな男の表情を見て、梓は黙った。