イベントスチル

    イベントスチル19

       
       俺も今まで、劉に差し向けられた何人もの刺客、暗殺者を葬ってきた。
     だが、こんなあからさまな殺意を剥き出しにして近付いてくる相手は、久し振りだった。
     カサリ、と音がする……右はす向かいの建物の陰だ。場所も把握しやすく、俺は逆に警戒した。
       
    JJ (何だ。血迷った素人か、でなければ――)
       
    霧生 ……動くな。
       
       ……そう、あれはフェイク。俺の注意を引くための罠だ。
     聞き覚えのある、怒りを含んだ低い声。そして、俺の左側頭部には、銃口が向けられていた。